米国の債務上限の引き上げ問題は土壇場で与野党が譲歩し合って決着しましたが、そのような中途半端なやり方では米国の財政赤字の問題は改善しないということで、S&Pは米国の国債を格下げしました。その判断を支持するかのように、世界の株価は連鎖的に下がっていきました。その最大の原因は「政治リスク」。危機に対して政治が機能しないリスクを市場が感知し、資金が株式市場から逃避したことによる連鎖株安でした。
それも少し納まったかと思うと、今度はスペインとイタリアの財政破綻懸念が高まり、それらの国債をフランスの銀行がたくさん持っているということで、フランス国債の格下げ懸念が高まってきているようです。そのような中、ムーディーズは日本の国債の格下げを発表しました。他に資金の行き場がない状況のため、市場は無反応でしたが、菅前総理は「残念」の一言だけ。そのことにも大きな「政治リスク」が感じられました。 最近の急激な円高は、ほかに買えるものがないため、一時的に日本の国債に資金が逃避していることが原因、と説明されていますが、GDPの2倍にも債務残高が膨らもうとしているにもかかわらず、増税の議論さえまともにできない国家の「政治リスク」を市場が感知し始めた時には、本当に日本国債の暴落という事態が起こるのかもしれません。しかし、それがいつ頃起こるのかは誰にもわかりません。経済オンチの菅さんから野田さんに変わって少しはそのリスクが軽減されることを願うばかりです。 金のバブルの崩壊は起きるのか?中国バブルの崩壊は本当に起きるのか?起きるとすればいつか?何が引き金になるのか?それも誰にもわかりません。アメリカでは住宅ローンの不良債権処理の先送りが限界にきており、バンクオブアメリカが破綻しそうだという記事を読みましたが、もしかしたらそれが引き金になるのかもしれません。 いま世界の金融市場がこのように様々なリスクを抱えつつも、そのリスクがあまりにも大きいため、なかなか処理の方向性を定められなくなっているというのが現状のようです。 そのような中でわれわれはどのように対処すべきでしょうか?月並みなアドバイスしかできませんが、まず実践すべきは少しでもキャッシュポジションを高めるということ。そして、少しでも利益確保・現金確保のための努力を惜しまないということかと思います。
by shimo_pendel
| 2011-09-01 13:04
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