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国債は暴落するのか?

財務省によると、昨年12月末で国の借金の総額は958兆円に達したそうです。財政赤字がどんどん膨らみ、平成24年度予算案は支出92兆円に対して税収はその半分にも満たず、40兆円。足りない分はほとんど国債発行による借金でまかなおうというものです。このままではますます国の借金は膨らみ、いずれギリシャのように破綻してしまうと、多くの専門家たちが指摘しています。
彼らのそのような警鐘に対して、別の専門家たちからは
① 日本の国債はそのほとんどが国内で消化できているから大丈夫
② デフレ下では金利上昇は起きないから大丈夫
③ ユーロという単一通貨に縛られるギリシャと違って為替による調整(円安)によって景気回復し、税収が増えるから大丈夫
といった反論がなされています。

 これらの反論に対する私の意見は
①については、経常収支が赤字になりかけており、そろそろ国内の資金も枯渇しかけている。その証拠に日銀が引き受け枠を増やして万一に備え始めている。この施策はインフレを引起すため、従来から禁じ手とされていた。
②については、日銀は最近1%のインフレターゲットを定め、金融緩和策を打ち出した。そのため円が安くなり、景気回復期待で株価も大幅に上昇した。
③については、景気回復による税収増といってもせいぜい10兆円程度(バブル絶頂の時でも60兆円)。景気が良くなれば金利も上昇し、そのために国債に対する利払い費が嵩んでしまう。仮に金利が1%アップすると利払い費は10兆円増えてしまう(ちなみに10兆円は消費税4%分)。1980年代は国債残高のうちに50%以上が10年超の長期国債で調達されていたが、今は15%程度に低下、すなわち短期借入れによる自転車操業状態になっている。短期借入れに頼った資金繰りがどれだけ危険かは企業経営者なら誰でも知っていること。また、このことは金利上昇の影響をすぐさま受けて、利払いによる財政支出がすぐに増加することも意味する。

 以上のような理由により、私はいずれ、日本の国債が売りたたかれる日が来るのではないかと恐れています。そのようにならないように政策当事者たちには早く金魚鉢の中の争いを止め、荒れ狂う荒海で難破しかけている日本丸を救って欲しいと願っています。
 さて、皆さんはこの問題についてどのように思われますか?万一の事態への備えはできていますか?来る4月8日。ペンデルではSBI証券とタイアップして、『不安への備え、如何にあるべきか』をテーマとして東京フォーラムでセミナーを開催します。ぜひご参加ください。

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# by shimo_pendel | 2012-03-26 16:41 | トピックス

発言することと責任について

先日、ある高名な大学教授の講演を聞きました。原発廃止反対。放射線の人体に対する影響もそれほど恐れることはない。と主張する教授の話の展開はおよそ以下のようなものでした。

「卵はコレステロール値を高める」ということを現代人は明治以降、つい最近まで信じ続けてきた。このことに疑問を持った日本のある医学者が調べた結果、卵を食べさせた兎に動脈硬化ができたという実験結果から導き出された結論であることが分かった。しかし、兎はもともと植物しか食べず、コレステロールを摂取しないため体内のコレステロール値をコントロールできない。日頃コレステロールを摂取している人間にストレートには当てはまるわけではない。このことは医学会において「世紀のスキャンダル」とされているというお話。
 次に放射線は染色体を傷つけ、突然変異を引起すということをアメリカのマラーという科学者(ノーベル賞を受賞)がショウジョウバエの実験で確認し、1946年に発表。それ以降、「放射線は有害」という認識が社会に広まったというお話。しかし、最近の研究で多くの動物はDNAに傷がついても修復する機能を持っているにも拘らず、ショウジョウバエは精子のDNA修復能力を一切持っていないということが分かったというお話。
3つ目は省略しますが、4つ目はビキニ環礁で被爆して亡くなった第5福竜丸の船員の死因は輸血によるウィルス感染が引き起こした肝硬変で、被爆によるものではなかったというお話。
さらには、原発事故の起きたチェルノブイリ地方はもともと甲状腺ガンが多い地方で、原発事故は大した影響を与えていないという趣旨のお話も出てきました。

これらの話を聞いた時は「へー、そうなんだ」と納得したため、早速ブログにて皆さんにご紹介しようと思い、インターネットで調べたところ、1つ目と2つ目のお話は概ね教授の話されたとおりでした。第5福竜丸の件に関しては、アメリカは乗組員に対して見舞金を出したが、直接の死因については日本側の主張(被ばくが直接の原因)と違う主張(教授の話と同じ)をしているということが分かりました。そして、チェルノブイリに関するサイトには、事故以降甲状腺ガンの発症率が顕著に高まっている統計データやガンに苦しむ子供たちの画像がたくさん出てきました。
果たして真実は如何に?

高齢化社会を迎え、人口が減少し、産業の競争力も失い、国力を低下させつつある日本が、原子力を完全に放棄して、今後さらに高騰するであろう石油エネルギーへの依存を相対的に高めることは政策的に過っていると私は考えています。そのような私ではありますが、「原発廃止反対」を唱えるために「放射線は怖くない」と論じる教授の理論の飛躍に違和感を憶えた次第です。
聞き手に対して影響力を及ぼしうる立場にある人間はその発言により多くの責任を伴います。私たち会計事務所は会計や税務といった専門分野において、そのような立場に立っています。今回のケースはその責任をあらためて認識する良い機会となりました。


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# by shimo_pendel | 2012-02-22 10:27 | トピックス

お蔭様で20周年、健康のために今年はお酒を飲みません!?

皆さん、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ペンデルはお蔭様で今年の9月で創業20周年を迎えます。長年のご愛顧、誠にありがとうございました。
ペンデルが創業した1992年は、折りしも日本経済はバブル崩壊の真っ最中で、個人的にも、開業の1ヶ月前に父親が急死し、まさに嵐の中に一人ぼっちで船出するような大変なスタートでした。そして、その後の20年間は顧問先のために、あるいは事務所のために、ただただひたすら働いてきたため、あっという間に過ぎ去ってしまったような気がします。そのような中、お蔭様でクライアントも徐々に増え、スタッフも総勢30人近くの規模になってきました。これもひとえに皆様のご愛顧のお蔭と感謝いたしております。

「会社の寿命30年説」によれば、優良企業として元気がいいのはせいぜい創業30年までだそうです(日経NEEDS)。あと10年もすれば私も65歳を過ぎ、高齢者の仲間入りをすることになります。このままでは、「30年説」が当てはまってしまう可能性があります。そこで、「ビジョナリーカンパニー」でジム・コリンズが述べているように、「フォアー・ザ・カンパニー」の理念を組織の中に浸透させ、私自身もその考え方に立って、この10年間でしっかりと事業承継の基盤を作り、「30年説」を覆そうと思っています。そのためには、その間自分自身が健康でいなければなりません。

というわけで、今年は健康のために「断酒」をすることにしました。河口湖マラソンで10年ぶりに4時間を切ったということは12月のブログでお知らせしました。私がマラソンを始めたのは、40歳になった年の初めに「42歳で42キロ走ろう!」と無謀とも思える目標を設定したことがきっかけですが、20周年を迎えるこの年の目標は「週6日の断酒!」です。「週に1回は休肝日を!」と言われ続けて早や20年。週一どころか月一も休肝日を作れない意志の弱さを嘆き続けてきたわけですが、今回、逆転の発想で「飲酒は週に1回!」という目標を掲げることにしました。
「酒は百薬の長」といわれますが、「過ぎたるはなお及ばざるが如し」でもあります。私の場合、中性脂肪の値が高いとか、アレルギー性鼻炎で嗅覚が麻痺するといった飲酒の弊害がいくつも表れるようになったため、ちょうど良い潮時なのだと思います。あるお酒の好きな社長が、1ヶ月の断酒によって「頭の切れが良くなった」と話しておられたことを、今改めて思い出していますが、健康にも良くて、しかも、切れの良くなった頭でお酒を飲まない時間を有効に活用できるのでいいことずくめのような気がします。

お酒好きの皆さん、あなたもいっしょにチャレンジしませんか?ちなみに、今回の私の決断は、税理士のYさんやA社のW社長に影響されています。
 

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# by shimo_pendel | 2012-01-10 11:39 | トピックス

10年ぶりにサブフォー達成!

フルマラソンを4時間以内で完走することをサブフォーといいます。私がマラソンにはまってしまっていることをこのブログを読まれている方は既にご存知のことかと思います。そして、この何年もの間、市民ランナーの勲章とも称されるこのサブフォーを達成できていないということも。
その私が、先日開催された第36回河口湖マラソンで遂に、なんと10年ぶりにサブフォーを達成したのです。今回はその喜びを皆様にもお伝えしたく、そのことについて書こうと思います。というよりもそのように決めていましたが・・・。

私が最後にサブフォーを達成したのは、ちょうど10年前のこの大会でした。その後腰痛の発症をきっかけにフルマラソンをしばらく休み、東京マラソンの第1回大会で復帰。しかしながら、レース前の骨折や肉離れなどのけがのために、参加はすれども3回続けて4時間の壁を破れずにいました。
今回の目標は「とにかく4時間切り!」。そのためにレース前の練習で古傷のふくらはぎを痛めないよう、無理をしないことに気を配りました。ところがまたしてもやってしまいました。10月の終わりに30キロ走をこなした、その翌日にゴルフの練習場でふくらはぎに軽い肉離れを起こしてしまったのです。油断大敵!の典型ですね?ただ幸いなことに昨年より症状が軽かったことと、2週間練習を休み、そのあとも軽い練習に抑えたことが功を奏して、何とかスタートラインに立つことができました。このあたりは過去の失敗経験が役立ちました。
レース当日の作戦は、とにかくイーブンペースを保つこと。最初の20キロまではそれぞれの5キロを27分前後で走り、30キロまではそれぞれ28分以内で、そして40キロまでは同じく30分以内で走るという単純な作戦です。この作戦通りに行けば最後の2.195キロを16分かけても4時間以内で走れる計算になります(ちなみに前回の東京マラソンでは16分30秒かかりました)。
結果はまさに作戦通り。5キロごとのラップタイムは26’58、27’13、26’55、27’13、27’42、28’11、29’02、29’53、そして最後の2.195キロを14’14でカバーして3時間57分21秒でゴールすることができました。

私はマラソンと経営は、「限られた資源を最適に組み合わせて目標を達成する行為」という点で非常に似ていると思っています。目標を設定し、マイルストーンごとにその達成水準をチェックする。差異があればその原因を検討し修正活動を行う。その結果についても情報をしっかりと収集しながらトレースする。この繰り返しで経営目標を達成する。マラソンも同じですね。
100分の1秒単位で自分のタイムを測れるといわれる、一流のスピードスケートの選手の体内時計ほどではないにしても、我々市民ランナーにおいても、日頃の練習で自分の体調とスピード感とその結果のタイムとの関係を常にチェックすることを習慣化すると、1キロ5秒ぐらいの誤差で自分のタイムを測れるようになります。肌感覚と呼べばいいでしょうか?この肌感覚のおかげで、今回のレースでも5キロごとのラップタイムは、走りながら自分の体と対話するようにして立てた予想と20秒以上狂ったことはありませんでした。
経営の世界でもこの肌感覚は大事だと思います。経営者の皆さん、あなたの業績予想は月次ベースで、あるいは週次ベースで当たりますか?管理部門からの情報と営業部門や製造部門からの情報をもとに行う予想(肌感覚)は実績と合っていますか?経営における肌感覚を磨くことを習慣化すれば月次試算表が上がってくる前に直近の業績を予測することができるようになります。

経営者の皆さん、私と一緒にマラソンと経営の肌感覚を一緒に磨いてみませんか?



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# by shimo_pendel | 2011-12-01 17:53 | トピックス

価値観の共有

ひと月に1回しかブログを書かなくなってから久しくなりますが、次回はこんなことを書こうかな・・・などと考えているうちに、あっという間にひと月が経ってしまいます。今回はちょっとアプローチを変えて、このひと月の間にブログに書こうと思ったことを一つに絞るのではなく、3つのテーマを取り混ぜて書いてみようと思います。

まず1点目は「戦略と実行」と題して開催されたセミナーで学んだことです。多くの企業で戦略が語られながらなぜ実行されないのか?なぜ組織が動かないのか?このテーマに関して慶応大学のビジネススクールの清水教授が「組織的コミュニケーションが『戦略実行力』を高める!」という講演で私を納得させてくれました。ポイントは戦略の原点に立ち戻り、自社の目的、価値観を共有するために組織的コミュニケーションを「わざわざ」行う必要があるということ。カルロス・ゴーンが改革を進めるうえで、なぜ一番難しい鉄鋼会社との交渉を最初に選んだのか?アサヒビールがスーパードライで勝負をかけた時に、最高級のホップを使った理由は?いずれもその戦略の目的を社内に本当に理解させるため、トップの本気度を伝えるために必要なことだったということです。たとえばリストラを推し進めるうえで、まずトップ自らが身を削って手本を示す。このような危機感共有のためのコミュニケーション戦術を実行できなければ、改革は成功しないということです。しかし、まだまだ中途半端な企業は多いように思います。

2点目は同じセミナーの第2部でコンサルタントの長尾一洋氏が述べた「ドメインコンセンサス」という言葉について。「自分たちの会社は何をもって存在するのか?自分たちの事業領域は何か?」という点について社員全員が正しく理解し、理解を共有できていれば、経営環境が大きく変わってもその企業は成長し存続できるということ。会計事務所の仕事は何か?決算書を作ること?税金の計算をすること?これらの仕事は会計事務所の一部ではあっても本質ではありません。「会計事務所の仕事はクライアントに対して経営に有用なあらゆる情報を適時・的確に提供すること」というようにその本質をとらえると、我々の業務はものすごく幅広いものとなります。どうしたらクライアントの売上を伸ばせるか?経費の無駄遣いはないか?組織を活性化するにはどうしたらいいか?組織の弱点を補完するためにいい提携先はないか?どうしたら事業承継がうまく行くか?などなど

3点目はまたユーロの問題。みなさんは「日経ヴェリタス」という新聞をご存知でしょうか?初めて買おうとした時、思わず売店のおばさんに「え?そんなに高いの?」と聞いてしまいましたが、1部500円もします。先日、その新聞にギリシャの「デフォルトの歴史」が書かれていました。さすが西洋文明発祥の地ギリシャです。古くはなんと紀元前377年に既にデフォルトを起こしているそうです。そして19世紀以降でも1826年,1843年,1860年,1893年,1932年と5回も・・・。まさに古代から現代に至るまでのギリシャの歴史は「デフォルトの歴史」といっても過言ではないでしょう。そのようなギリシャのために「なぜ俺たちが汗水流して稼いだ金を貢ぐ必要があるんだね」ドイツ国民の声が聞こえてきそうです。このこと一つをとってもヨーロッパの人たちの「価値観の共有」は難しいと思ってしまいます。


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# by shimo_pendel | 2011-11-01 13:31 | トピックス